かつてナポレオン・ヒルは、偉大な多くの成功者たちにインタビューすることで、成功哲学を築き、世の中に広められました。私Johnも、経営者やイノベーター支援者などとの対談を通じて、ビジョンや戦略、成功だけではなく、失敗から再チャレンジに挑んだマインドを聞き出し、「イノベーション哲学」を体系化し、皆さまのお役に立ちたいと思います。

第24回に登場していただきましたのは、日本社会と経済の発展に向け、オープンイノベーションやスタートアップ支援、対日投資の促進や日本企業の海外展開などを幅広く支援するJETRO(日本貿易振興機構)イノベーション促進課課長(2021年7月20日インタビュー当時、11月24日付でJETRO福島所長に就任)、吉田 悠吾氏です(以下インタビューでは「吉田」)。

1 「日本では当たり前ではないけど、海外では当たり前に起こること。それを早い段階で学べたということは、留学で得た財産ですね。」(吉田)

John

吉田さん、この度は貴重なお時間を本当に愛りがとう(愛+ありがとう)ございます!

以前もりそなCollaborareの「イノベーションの森」に登場してくださった吉田さんですが、今回は吉田さんご自身のことをもっとお聞かせいただきたいと思っております。

まずは、吉田さんの半生をお聞かせいただけますか?

吉田

こちらこそ、貴重な機会をありがとうございます。

私自身の生まれは東京ですが、母は東京で父は京都出身、また父の仕事の関係で異動が多く、いわゆる転勤族でした。
中学校に入る時に京都へ引っ越し、京都で学生生活を過ごしました。

ちょうど私が高校へ入るタイミングで、京都に英語に特化した公立高校ができたので、そこへ入学しました。

高校のうちから海外へ行く機会を与えてもらったり、第二外国語の授業で中国語を勉強させてもらったりなどの経験を通して、どんどん海外への興味が高まっていったのです。

学生ながら「中国はこれから成長する、おもしろい国だ」と感じていたため、大学は東京外国語大学の中国語学科へ進学して、北京大学に1年留学しました。

John

さすが吉田さん!高校生の頃からすでに、海外にご興味をお持ちだったのですね!
そしてその頃から「伸びる国はどこか」という視点で中国語を選ばれたという意識の高さもすばらしいです。

英語に特化した公立高校ということですが、どのような高校だったのですか?

吉田

当時、京都の公立高校として初めてできた英文系のクラスに、1期生として入りました。

英語の授業が多くて、ALT(外国語指導助手)の先生もクラスに2名ついてくれていました。

今ではそういった高校も増えていると思いますが、1年生のうちからクラスみんなで、カリフォルニア州のサンフランシスコ郊外へ1カ月留学できるなど、当時の高校としては珍しい取り組みが多かったです。

高校では英語をしっかり学んで、大学からは中国語を学ぶようになったのですが、英語と中国語は文法がほぼ同じなためか、頭の中で混同してしまうことが多々ありまして……。また仕事で英語を使うようになった時、苦労した覚えがありますね(笑)。

今では、英語・中国語・日本語を使いながら仕事ができています。

John

3カ国語を使いこなしていらっしゃるなんて、吉田さん、凄すぎます!
ビジネスで英語や中国語を使いたいと考えている方のために、語学力を磨くポイントを少し教えていただけませんか?

吉田

やはり接する量、とにかく実際に学習したい言語を聞いて、話してみることですね。

英語に関しては、すでに国際言語になっていますし、ノンネイティブ同士でも通じますので、積極的に英語を使う機会を持つことが上達のポイントです。

中国語に関しては、漢字で意味が予想できますので、読み書きは日本人にとって比較的なじみやすいと思います。

ただ、いざ中国語で話すとなると「発音がよくないと通じない」というのが壁となります。英語のように、いわゆる「カタカナ発音」では通じないのです。

逆に発音も含めてしっかり学べば、中国はもちろん、アジアの華僑の方々とのコミュニケーションが非常にスムーズになります。

例えば、シンガポールや東南アジアの華僑の方の多くは中国語を使うので、とても役に立ちます。

私もシンガポールや東南アジアでは、はじめは英語でコミュニケーションをとってみて、「この方は華僑系かな」と思ったタイミングで中国語へシフトしてみる、ということをよくしています。
親しみを持ってもらえて、本音を聞き出しやすくなりますよ。

John

3カ国語お話になるからこその気づきをシェアして頂き、愛りがとうございます。母国語での会話の方が本音が出やすいというのは興味深いです。ビジネスで大きな武器になりそうですね。

大学時代には北京大学へ留学されたとのことですが、留学時代のことで、印象に残っている出来事はありますか?

吉田

1番衝撃的だったのは、夜間に北京の街を出歩いていたところ、デモに巻き込まれかけたことですね。

1999年にNATOが在ユーゴスラビアの中国大使館を爆撃するという事件があり、それに対する抗議として、デモ隊が中国にあるアメリカ大使館の公邸などに詰め寄るという事件が起こったのです。

僕はその当時、たまたまそのアメリカ大使館の近くにいて、多くの学生たちが抗議活動をする様子を目の当たりにしたのです。一緒にいた他の留学生たちと共に、急いでその場を離れました。

特にアメリカからの留学生などは、その後も「あまり街中に出ない方がいい」と大学から注意喚起されたりしていて……。

日本にいるとなかなかこういった場面に遭遇することはできませんが、「国と国がぶつかるというのはこういうことなのか」と強いカルチャーショックを受けたことを覚えています。

John

海外では、日本では遭遇しない、日本人にとってはカルチャーショックを受けるような出来事も起こることがありますよね。

吉田

そうですよね。海外では普通にあり得ることです。

昨今のコロナ禍で、海外ではロックダウンなども起こりましたね。
日本人はロックダウンのような強硬な対応や、権利を侵害されることに敏感に反応する傾向があるように思いますが、公共の福祉・安全のためには、必要だと考える国も多いようです。

John

そういった海外現地の問題や国家間の問題が、ビジネスに影響を与えることもありますよね。日本では当たり前ではないけど、海外では当たり前に起こることを早い段階で学べることも、留学で得られる財産の一つですね。

吉田さんの画像です

2 「さまざまなプロジェクトに関わらせてもらってやりがいもあったのですが、次第に、もっと多くの企業、ひいては日本社会全体のグローバル化に貢献したいという気持ちが湧いてきました。」(吉田)

John

学生時代の留学を通し、語学はもちろん、日本と海外とのギャップや、カルチャーを学ばれたわけですが、その後のファーストキャリアは日本の大手商社を選ばれていますね。どういったお考えがあったのでしょうか?

吉田

「大学で学んだ中国語を、すぐにビジネスで使いたい」というのを就職活動の主軸にしており、総合商社のスペシャリスト採用という枠へ応募しました。

一般的な企業ですと、入社後数年間は外国語を使うような仕事をさせてもらえないことが多いそうですが、スペシャリスト採用では、若手にも海外と関わるチャンスが与えられるというところに魅力を感じたのです。

実際に入社後は、若手ながら、今では著名な企業へと成長した半導体メーカーの中国への生産移管、現地での合弁会社設立・運営など、大きなプロジェクトにいくつも携わらせてもらいました。

海外への生産移管の流れが当時は活発でしたので、他の企業でも生産移管するケースは多かったですね。

John

新卒時から今日まで、ずっと日本と海外を繋ぐお仕事に携わっていらっしゃるのですね。さすが、吉田さん、すばらしいご経歴ですね!
商社時代に得た1番の学びは、何でしょうか?

吉田

商社で身についたのは、伝統的なトレーディングと、事業投資の経験でしょうか。また、大きな組織の中でプロジェクトをどう動かしていくか、というのも今の仕事に活きている気がします。

当時、私は情報産業やエレクトロニクスの部門にいて、100〜200くらいの調達先を取りまとめ、工場が止まらないように材料や機械などを輸出するという仕事もしましたし、他社の海外展開のコンサルティングも任せてもらったので、かなり鍛えられましたよ。

社会人歴5年以内の若手でありながら、現地の経営者たちとやりとりをさせてもらったり、プレゼンテーションをしたりというのは、非常に大きな財産です。

John

吉田さんは学生時代も就職する際も目的意識を明確に持地、実際の行動に移されていますね。そのような意識の高さがあったからこそ、若手時代から重要な役割を任せてもらえたのでしょうね。

私は、何事も基本はマインドが大事だと思っています。木に例えると、マインドは根の部分。根が強く大きく育つかどうかで、同じ環境の中でも何をどれだけ吸収できるかが変わってきます。

次に必要なのが継続で、これが幹の部分です。コツコツ真っ直ぐに継続した先に、枝葉であるスキルが彩りを加えます。

そして、成果や感動、人々の喜びといった花が咲くのです。

さらに、それまでの経験をまとめた果実を次世代に手渡し、その種から持続可能な好循環が生まれると嬉しいと考えています。

吉田さんのお仕事のことに話を戻しますが、その後はJETROへ転職されていますね。どのような理由でJETROを選ばれたのでしょうか?

吉田

総合商社ではさまざまなプロジェクトに関わらせてもらってやりがいもあったのですが、次第に、もっと多くの企業、ひいては日本社会全体のグローバル化に貢献したいという気持ちが湧いてきました。

そんな組織がないものかと考えていた時に、ちょうどJETROが中途採用を行っており、応募したのです。

JETROに入ってからは、日本企業の海外展開の支援、輸出のサポートなどを中心に様々な事業を担当し、2007年に上海事務所へ赴任。中国へのアウトバウンド関連の支援を担当していました。

2014年に帰国し、対日投資部の所属となりました。
そこでは、海外企業、特にアジア企業の誘致活動に従事したり、時には大臣や知事クラスの方々にご登壇頂くような海外での日本のプロモーションイベントなどを開催したりしました。欧米だけでなく、アジアからの投資を呼び込むのがミッションでした。

日本は人口減少時代に突入していますので、JETROとしても工場のような雇用を創出する大型投資に限らず、スタートアップやイノベーティブな企業を誘致しようという方向へとシフトし始めた頃でした。

2016年には内閣官房へ出向し、農林水産物の輸出などに関わる政府戦略を立案するチームに参加しました。翌2017年、JETROに戻り「JFOODO」という日本の食品を海外へプロモーションする新組織の立ち上げにも従事しました。

その後、対日投資部へ戻りまして、2019年4月にはイノベーション促進課という日本企業と海外スタートアップとのオープンイノベーション、連携・協業を支援する新設部署の課長となりました(現在は、JETRO福島所長に就任)。

John

まさに日本のグローバル化に貢献されてきたわけですね。

現在、吉田さんがいらっしゃるイノベーション促進課でも取り組まれている「オープンイノベーション」ですが、この言葉自体はアメリカで1997年に生まれ、経営学者のヘンリー・チェスブロー氏が提唱し、2002年には広く使われるようになったと言われています。

外部と内部で力を合わせて、社会課題を解決しようということですが、クロスボーダーでのオープンイノベーション支援に取り組んでいらっしゃる吉田さんから見て、昨今の「日本企業×海外スタートアップ」、あるいは「日本のスタートアップ×海外市場」というのは、どのような状況だと思われますか。

吉田

最近では、日本の大手企業の変化に世界が注目しているというのを強く感じますね。

そもそも私たちがこの取り組みを始めたのは、海外のスタートアップが日本に注目しているという傾向が見え始めたためなのです。

その背景には、ソフトバンクさんやNTTデータさん、富士通さんといった日本のグローバル企業が、海外のスタートアップへの投資や協業に注力し始めていることもありますし、シリコンバレーで日本企業の存在感が増していることなどが挙げられます。

特に、シリコンバレーでオープンイノベーションやベンチャー投資を行っている企業数というは、国別で見ると、実は日本がNo.1だそうです。

こうした状況を受け、「日本企業が変わってきているぞ」というトレンドを世界のスタートアップが感じ始めています。

一方で、日本発のスタートアップで言いますと、ユニコーン企業を目指してはいる企業も増えているものの、まだまだドメスティックな企業が多いように感じます。

海外から日本のスタートアップへの注目度は高まっており、今がチャンスだと思うのですが、コロナ禍で海外との距離をより一層感じ、海外展開も含めた将来像を描き、実現に向けたアクションを取ることに臆病になっているスタートアップの皆さんも多いのかもしれません。

まずは日本でビジネスを確立してから海外へ、という「国内ファースト」の視点だけでは、日本独自のビジネスモデルになってしまい、海外の市場や投資家から受け入れられなくなってしまうこともあると思います。

JETROには日本発スタートアップの海外進出を支援するチームもあるので、そうした課題の解決のため、はじめから海外を意識したロードマップをつくるところから支援できるようシードやアーリーステージのスタートアップ支援にも注力しているところです。

John

ユニコーンになる企業は起業初日からグローバル展開を考えていますよね。これは米国に限ったことでなく、イスラエルや北欧、その他の国々にも共通しています。日本は、小さいと言いながらも国内にもそれなりの市場があり、言語の壁も立ちはだかっているため、なかなかスムーズにボーングローバルなスタートアップが生まれ難いですね。

日本の大手企業が世界から注目され始めているというのは、非常にうれしいお話です!かなり前向きにオープンイノベーションに取り組もうとしている企業が多いですよね。

吉田

そうですね。
課題解決や新規事業の創出のためには、自分たちの力だけではなく、異業種とのコラボレーションが必要だということは、日本企業も感じはじめているようです。

日本では昔から産学連携などの取り組みが多く行われてきましたが、民間同士、国内外の垣根を越えて、様々な連携をやっていかなくてはいけないという気運が高まっていますね。

大手企業だけではなく、中堅・中小企業、おもしろいところでは日本のスタートアップと海外のスタートアップの協業・連携に成功している事例なども、実は多数出てきています。

こうした取り組みの積み重ねが、日本のスタートアップやエコシステム自体を強くすると、私は確信しています。

また、その一方で、そうしたクロスボーダーのオープンイノベーションが進んでいる企業と、そうでない企業の差がかなり開きつつあるというのも感じています。特に今はコロナ禍もあり、海外出張にも行きにくいですし、接点が減っていることもあるかもしれません。

全体を通して、JETROへのご相談は増えているものの、二極化が進んでいます。

John

本当に、日本企業のオープンイノベーションでもおもしろい事例がどんどん出てきていますよね。

例えば、村田製作所や富士通、富士フィルムなど、海外スタートアップとも積極的にオープンイノベーションを進めておられる日本企業には私も注目しています。

中堅・中小企業やスタートアップのオープンイノベーションについても、ぜひ詳しく伺ってみたいのですが、吉田さんが注目された事例等を教えていただけますか?

吉田

最近興味深かったのは、ロボティクスの開発をしている日本の大学発ベンチャーが、全く同じようなものを作っているインドのスタートアップと協業した事例ですね。

私たちとしては、「全く同じような技術だから、競合にあたるかもしれない」と思いながらお引き合わせしたのですが、うまく棲み分けができ、相互に足りない技術を補完し合える関係でした。

よい方向で進んでおり、私たちとしてもうれしい事例ですね。

他にも、JETRO のYou Tubeチャンネルではさまざまな日本企業と海外スタートアップの成功事例をご紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。

John

非常に興味深い事例ばかりです!JETROの皆様の多大なるご尽力あっての成功ですね。心より尊敬いたします。

3 「何を目的としているのか、どのような領域のスタートアップと、どう協業したいのか。それらがつくれない、明確でない会社は、スタートアップとのマッチングは難しいです。」(吉田)

John

JETROでたくさんのオープンイノベーションに携わられた吉田さんから見て、オープンイノベーションの成功要因、逆に失敗してしまう要因は何だと思われますか?

吉田

双方のニーズや方向性がマッチしていること、プロジェクト化のスピード感、フラットなコミュニケーション。これらが重要です。

日本の大手企業はどちらかと言うと上から目線でスタートアップに接しがちですが、海外スタートアップのほうがパートナーを選ぶような力関係も多々あります。

まずは「海外スタートアップに、自分たちを選んでもらう」というマインドを持ち、スタートアップにとっての協業のメリットを伝え、NDAを締結した上で自社の情報や課題を開示をすることが必要です。

また、スピード感を持って、プロジェクトのゴールや期間を設定していくというのも重要なポイントです。

とは言え、まず前提として、スタートアップとの協業は「千三つ(せんみつ)」ということも忘れてはいけません。千やって、三つ成功するという意味で、よく使われる言葉です。

私たちの中でも、協業・連携の成功事例は数えるほどしか出ていませんが、マッチングしている商談数で言えば軽く千を超えています。

スタートアップというのはそもそもリスクを伴うものですし、リスクを取って起業している人たちの集団です。

彼らが100%成功する確信があるのなら、銀行が融資をするわけで、そうなればベンチャーキャピタルは世の中にいらないことになります。
リスクがあるがゆえにベンチャーキャピタルというものが存在するのです。

100%成功することはないと思って、トライしていくのも大切ではないでしょうか。

John

おっしゃる通りですね。スタートアップはリスクを取って、通常ではなし得ない世の中にインパクトを与えるようなサービスを提供しようと果敢に挑戦しています。彼らをサポートするベンチャーキャピタルも、彼らと協業しようとする企業も共にリスクを取る部分はありますよね。

それ故に、利益だけでなくビジョンの共有が大事になりますし、うまくいっているところは、吉田さんがおっしゃった通りニーズがマッチしていますね。
そして、人と人とのフラットなコミュニケーション、スピード感、自社の情報もきちんと開示すること、メリットを伝えること、ゴール設定をすることなど、いずれも大事なポイントだと思います。

全てのプロジェクトが成功しないとしても、これらは成功の必須要件ということですね。

吉田

そうですね。
まずはスピーディに、そしてはっきりと意見を伝え合うことからです。

よくあるのが、ふわっとした情報交換で終わってしまい、「ゴールは?」「次のアクションは?」となってしまうようなケース。

ニーズがマッチしていないならマッチしていないと早く伝えた方が双方のためになるし、関心があるのかどうかよくわからないままうやむやになってしまって、結論を出すまでに時間を要してしまう、ということが、日本企業ではよくあるように思います。

John

非常によくわかります。大企業側は情報交換できただけでもよしとしていて、スタートアップ 側は具体的な次のアクションまで決められずに落胆しているというのもよく聞くケースです。

そうした状況が起こらないよう、JETROでサポートされていることはあるのですか?

吉田

日本企業のお客様からスタートアップ紹介のご相談をお受けする際には、リバースピッチのデッキなど、海外スタートアップにできる情報をあらかじめ頂くようにしています。

日本側から開示できる情報を頂かない限りは、海外スタートアップとのマッチングまではあまり行いません。

何を目的としているのか、どのような領域のスタートアップと、どう協業したいのか。そうした資料がつくれない、明確でない会社様とは、海外スタートアップとのマッチングは難しいのが実情です。

最近では日本企業から海外スタートアップについて知りたいというお声も多くいただいているので、2020年12月より、日本企業の皆様に対して、海外のスタートアップエコシステムの情報をお届けするブリーフィングサービス(注1)も行っています。

JETROの海外駐在員が、現地のイノベーターなどから集まる最新の情報をお届けしています。場合によっては現地の研究機関やスタートアップ支援機関などとおつなぎすることもありますよ。

(注1)JETROのブリーフィングサービスについてはこちら

John

画期的なサービスですね!

私も、海外スタートアップの情報というのは数多くいただくのですが、逆に日本企業の側にどのようなニーズがあるのかが不明確で、最適なマッチングまでに時間がかかるという課題を感じていたところです。

吉田

私たちもまさにその課題があったので、こうしたサービスを始めたのです。

また、今私たちが取り組んでいるコンテスト「Japan Challenge for Society 5.0(注2)」も、日本の課題解決のためのプロジェクトの1つです。

日本企業約1000社にアンケートをお送りし、要望の多かった3つの社会課題をテーマとし、その解決策を世界中のスタートアップから募集しました(注3)。

テーマ(注4)は、Environmental Friendliness(環境配慮型社会への転換)、Labor Shortage & Improving Productivity(労働力減少への対応・生産性向上)、Smart & Resilient Japan(都市・地域のバランスのとれた成長)の3つ。

イベントは日本最大級のテックカンファレンス・CEATECと一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)、私たちJETROの三者共催で行われており、内閣府にグローバルエコシステム拠点都市として認定されている各エリアの自治体や関係機関にもご参画いただいています。

世界53か国・地域から、約300のスタートアップにソリューションを提案いただき、そのうち18か国・地域45社のスタートアップを採択。CEATECで日本企業との商談会を開催しました。

(注2)Japan Challenge for Society 5.0
Webサイト(英語)

https://www.jetro.go.jp/en/events/japanchallenge/
PRTIMES(日本語)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000071241.html

(注3)募集は2021年7月31日時点で終了しています。

(注4)募集テーマの詳細はこちら
https://www.jetro.go.jp/news/announcement/2021/07ba4c03356855b8.html

John

本当に素晴らしいチャレンジですね!非常に楽しみです。

吉田

ありがとうございます。
トライアンドエラーではありますが、私たちにとっても大きなチャレンジです。

特に日本の労働人口減少への対応というところで、デジタルトランスフォーメーション・デジタルツイン領域、省人化ソリューション・身体機能の拡張としてのロボティクス技術などは多く集まっており、非常におもしろいと思いますよ。

John

SDGsも、大きなテーマにされていますよね。
海外スタートアップと日本のアセットを組み合わせることで、どのようなイノベーションが起こるかワクワクしますし、吉田さんのご活動、本当に尊敬しています!

まだまだお伺いしたいことがたくさんありますが、最後に吉田さんがどういった想いで、どんな哲学を持って今のようなご活動をされているのかを教えて頂きたいです。

吉田さんの「イノベーションの哲学」とは何でしょうか。

吉田

「よりよい未来のために」。それが私のイノベーションの哲学です。

これまでの日本は、国内でビジネスモデルを形づくり輸出し、世界と競争するという時代でした。

しかしグローバル化が進み、今では日本と世界はつながっています。
そして、環境問題、人口の問題、食糧問題などたくさんの課題がありますが、それらは日本だけでは解決できるものではありません。

私には子どもがいますので、自分が日本と海外の架け橋となってさまざまな社会課題を解決したり、新しい事業を創出するような取り組みを続けることで、子どもたちの世代によりよい地球環境を残し、よりよい社会を実現したいという想いがあります。

よりよい未来、よりよい社会のため、私はこれからのイノベーションの創出に取り組んでいきます。

John

私も「Innovations For A Healthier Life(世界中、日本中の人々のより健やかな人生の為にイノベーションを起こす)」を人生と仕事のビジョンにしています。イノベーションは常に明るい未来、吉田さんのおっしゃる通りよりよい未来のために起こすものですよね。

同じ思いを共有できて非常に嬉しいです。
吉田さん、本日は貴重なお話を愛りがとうございました!

吉田さんのイノベーションの哲学を示した画像です

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年11月29日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

【電子メールでのお問い合わせ先】
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(株式会社日本情報マートが、皆様からのお問い合わせを承ります。なお、株式会社日本情報マートの会社概要は、ウェブサイト https://www.jim.jp/company/をご覧ください)

ご回答は平日午前10:00~18:00とさせていただいておりますので、ご了承ください。

提供
●吉田 悠吾 (YOSHIDA Yugo) ●森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka
●吉田 悠吾 (YOSHIDA Yugo)
日本貿易振興機構(ジェトロ) イノベーション促進課 課長 (インタビュー当時)
2021年11月23日より、ジェトロ福島所長
総合商社にて、中華圏での半導体・エレクトロニクスビジネスを担当。2005年にジェトロ入構後、エンターテイメントコンテンツの輸出支援やサービス業の海外展開等に取り組む。2007年~2014年に上海事務所に駐在。帰国後、対日投資部や内閣官房(農林水産業輸出力強化等推進室)等を経て、2019年4月よりイノベーション促進課 課長。2021年11月に福島貿易情報センター(ジェトロ福島)の所長に就任。
現在は、オープンイノベーションに取り組む日本企業を支援。CEATECやAEA(アジア・アントレプレナーシップ・アワード)等国内のテックイベントへの海外スタートアップ招致や、海外エコシステムでのリバースピッチイベントなどを手がける。

●森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka
イノベーションプロバイダー、ファミリービジネス二代目経営者、起業家、講演家、コラムニスト
山口県下関市生まれ。19歳から7年半単身オーストラリア在住後、家業の医療・福祉・介護イノベーションを目指す株式会社モリワカの専務取締役に就任。その後、ハーバードビジネススクールにてリーダーシップとイノベーションを学ぶ。約6年間シリコンバレーと日本を行き来し、株式会社シリコンバレーベンチャーズを創業。近年はNextシリコンバレー(イスラエル、インド、フランスなど)のエコシステムのキープレーヤーとのパートナーシップと英語での高い交渉力を活かし、スタートアップ支援やマッチングを行う。「日本各地でのイノベーション・エコシステムの構築方法」や「どのように海外スタートアップと協業しオープンイノベーションを起こすか」を大企業、銀行、大学などで講演、病院ではリーダーシップセミナーを行う。国内外アクセラレーター支援、スタートアップイベント運営、ピッチ指導(英語・日本語)等も行う。
株式会社シリコンバレーベンチャーズ代表取締役社長 (兼) CEO
株式会社モリワカ専務取締役(兼)CIO
情報経営イノベーション専門職大学 客員教授
MIB Myanmar Institute of Business 客員教授
Startup GRIND Fukuoka ディレクター

著書「ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?」

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