補助金・助成金は年間で3000種類発表されているといいます。非常にたくさんの種類があります。

正確な集計はありませんが、補助金・助成金の中でも、特に利用が多いとされるのが「キャリアアップ助成金」の「正社員化コース」です。

1 キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ 助成金とは、非正規雇用労働者のキャリアアップなどを促進するため、正社員化などの取り組みを実施した事業主を助成する制度です。厚生労働省の助成金であり、正社員化コースなど、複数のコースがあります。

正社員化コースの場合、中小企業であれば、労働者1人当たり57万円から最大72万円が支給されます。1事業所当たり1年度につき20人まで申請することができ、支給されればとても大きな金額になります。

人手不足に悩む企業であれば、この助成金を利用して、アルバイトなどの正社員化を進めることで、人材の定着を図ることなどができるでしょう。

2 キャリアアップ助成金の主な支給条件

正社員化コースの主な支給条件は次の通りです。

  • 非正規雇用労働者を正社員に登用する制度を用意する
  • 新制度に基づき、実際に正社員登用を行う
  • 正社員登用前よりも、賃金を5%増額する(例:登用前の月給が30万円の場合、1.5万円を増額)

上記のうち、1つ目については、単に制度を用意するだけでなく、この制度を就業規則などに定めたりする必要があります。

3つ目の賃金の増額については、ボーナスで対応する企業が多いようです。

なお、上記3つは条件の一部について、ごく簡単に紹介したものです。上記で紹介したもの以外にも、多くの条件が設けられています。

3 キャリアアップ助成金が策定された背景

一般的に、補助金・助成金の支給条件などは、制度の目的に沿うように設定されています。そのため、補助金・助成金を利用するに当たっては、制度が策定された背景や趣旨を理解することが重要です。

キャリアアップ助成金が策定された背景には、非正規雇用労働者数の増加があります。非正規雇用労働者は、企業にとっては業務の繁閑に応じて柔軟に活用できる労働力です。

一方、非正規雇用労働者の中には、不安定な立場から、消費や結婚を控える人もいるなど、日本経済全体に悪影響を及ぼすのでは、と懸念されています。

こうした問題を是正するために、キャリアアップ助成金は策定されました。

4 不支給になる行為にはご注意を!

事業計画書の審査がある補助金とは異なり、厚生労働省の助成金は基本的に条件を満たせば、あらかじめ決められた金額が支給されます。とはいえ、制度の趣旨に反することをしてしまえば、不支給になる場合もあります。

正社員化コースの場合、雇用時にあらかじめ正社員登用を約束しているのであれば、支給の対象外です。また、正規雇用の正社員を、助成金申請のために、非正規雇用だと偽る行為は厳禁です。

5 申請するには、どうすればいい?

「よし! 早速優秀なバイトを正社員に登用しよう!」

そう思われた方は、まずは厚生労働省のホームページをご覧ください。キャリアアップ助成金の支給対象や申請時の手続きなどについて、詳しく説明されたパンフレットなどが掲載されています。

●厚生労働省「キャリアアップ助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html

パンフレットなどをご覧いただくと分かりますが、キャリアアップ助成金は正社員化コース以外にもさまざまなコースがあります。また、申請時の提出書類なども多く、経営者自身で全ての準備や申請を行うのはなかなか難しいかと思います。

「あまり“時間をかけず”に申請する方法を教えてほしい!」

そういったニーズをお持ちの経営者の皆さまは、ぜひお問い合わせください。下記の点をまとめて助言させていただきます。

  • どのような申請書類や社内制度が必要か
  • どの士業事務所に依頼すると、安く迅速に申請できそうか
  • キャリアアップ助成金以外に、どのような助成金が利用できそうか

厚生労働省の助成金の原資は雇用保険料であり、助成金の支給対象は雇用保険料を負担している雇用保険適用事業所の事業主です。ぜひ有効に利用し、「強くて優しい会社づくり」にお役立てください。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2018年9月26日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

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執筆:Jマッチ事務局
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